年間100冊読破 達成 その2

年間100冊読破達成 その2

読んでいるのが歴史小説、時代小説なので作家としてはある程度限定されている。

読んだ冊数で多い作家としては、吉川英治山岡荘八池波正太郎司馬遼太郎宮城谷昌光(中国の古典的歴史小説)、藤沢周平山本周五郎葉室麟宮部みゆきといったところだろうか。それ以外の作家もあるが単発的で冊数は限定的だ。中でも藤沢周平葉室麟はほとんどの作品を読破したと自負している。現在は山本周五郎の全作品を読破しようとしているがまだ数ヶ月はかかりそうだ。ただ上記の作家については一人につき数十冊単位で読んでいるのは間違いない。山岡荘八などは作品数としては4作品しか読んでないがその中の「徳川家康」(講談社歴史文庫)だけで26巻なので週一冊のペースでも約半年要しているし、その他の3冊も長編だった。

本を購入して読んでいた時代は、次に読む作品の選択にあれこれ悩むし、書店に行く時間も余り取れなかったので長編ものを意識して選択してまとめ買いをしていた。「徳川家康」以外にも吉川英治新平家物語」16巻、同「新書太閤記」11巻、同「三国志」8巻、同「私本太平記」8巻、同「宮本武蔵」8巻、池波正太郎真田太平記」12巻、北方健三「三国志」13巻、司馬遼太郎坂の上の雲」8巻などがある。

もっとも最近は時間的にも余裕があり、市の図書館はネット上からの検索や予約で近所の図書館までの配送システムも整っていて、長編短編関係なくどちらかといえば1人の作家の作品を根こそぎ読んでいるので選択基準が変化している。

合計450冊の中から敢えてベストの一冊をあげると吉川英治の「新平家物語」16巻になる。

既存の権力を廃しながら大胆で少々荒っぽい手法で武家権力の道を追い求めながらも、何か憎めない人間平清盛と、名ばかりの武家で公家化した清盛後の平家一族の浮沈、そして権力とは対局に位置する阿部麻鳥という無欲の人物を折に触れ織り交ぜながら壮大な作品に仕立てられている。「祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり・・・」、栄枯盛衰の悲哀がしみじみと伝わりスケールの大きな叙情詩として強く心に残っている。

余談ながら、この「新平家物語」後の事になってしまうが、平家の栄枯盛衰もさることながら、個人的には平家滅亡ののち権力を掌握したはずの源頼朝も掌握後数年で亡くなり、その死後は平家の流れとも言われる北条家に乗っ取られ、頼朝に繋がる源氏一族をことごとく抹殺された歴史は平家一族以上にうら寂しい顛末と思えてならない。

ただ源氏の家系は奥行きがあるので傍系で佐々木源氏、足利氏、新田氏、京極家、武田(信玄)家や吉良家等々名前を変えながらもその後の歴史に中に登場し、清和天皇を始祖とする名門家の伝統を後世に残している。征夷大将軍の官職は原則源氏系武家の権力の象徴として引き継がれたことがそれを物語っている

年が明け新しい年度が始まったが今年も100冊を目標にじっくり取り組みたいと思っている。

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本筋のテーマから少し外れるが、読書録をExcelで作成したと書いたが、それはタブレットスマホ用のExcelが無償で配布されだしてからのことなので比較的最近になってからのことである。それ以前はパソコン(iMacとWinノート)ではオープンオフィス(無償ソフト)、iPadでは他のアプリを使っていたが使い勝手は必ずしも良くなかった。Excelを使い出すとやはり一日の長があり結局パソコン用のExcel(365ソロ)まで購入してしまった。

この有償のExcelには1テラバイト(個人でそこまで必要かと思えるほど膨大)のOneDriveが付属しており、このクラウドの使い勝手が良くデータの保存に役立っている。以前からiCloudDropboxクラウドも使ってはいたがもう一つわけがわからないままの使用だったが、OneDriveは管理がしやすく使い勝手も良い(DOSのように階層的にかつ視覚的に管理できる)。ここにデータ保存さえしておけばパソコン(Win、Mac問わず)、iPadスマホから瞬時にアクセスできて助かっている。